花咲く夜に 投稿者:スネ夫(詩) (2003年07月01日 (火) 05時55分)

その花は南風に
翼を広げる
旅立つ日を待ちかねて

北風に手折られぬよう
南を向く花は
やがて美しい南国の鳥になる

ねぇ嘘も言葉で出来てるから
せめて僕に祈らせてください
ステキな愛が咲きつづくよう
実り多き旅でありますように

月影のない夜の海岸
雨風に吹かれながら心はずむのは
花の優しい香りを
胸一杯吸い込んだから
輝く日々の中に
あなたが羽ばたく姿を想うから

憧れにささやかな友情を込めて
もう一度祈ろう

ステキな恋を 素晴らしい人生を

温もり (超短編小説) (2003年07月04日 (金) 23時14分)

屋上にある給水塔の裏に学校での居場所を見つけた。
家族から友達から離れ一人で暮らす知らない町。馴染
めない言葉。一人は寂しくはあったが、辛くはなかっ
た。孤独はいつだって裏切らない唯一の友達。

 隣には母や叔母達が通った女子高があり、グランド
にいる女子高生達をながめながら母達がどんな青春を
送ったのかぼんやり想像していた。

「あ・・またおるし」そのときいつもの客がやって
きた。同じ学校に通う1つ上の従姉。彼女の訪問はウ
ザくもあったが、来ないときは少しがっかりした。わ
ざとらしくMDのボリュームを上げ空を見上げる。
 「自分めっちゃ感じ悪いやんか!」イヤホンを耳か
ら抜きとって従姉が怒る。
 「なんか嫌なことでもあったん?友達欲しくないん?」
従姉のそんな言葉を聞いているうちに急に自分がみじめ
になり心の中に暗い影がさした。
 「欲しくないね」吐き捨てるように叫ぶ。

 「悲しいこと言うなぁ・・・」
 一瞬怯んだ従姉が、寂しげな顔でささやく。従姉を傷つ
けてしまったのが辛く、逃げるように彼女の脇をすり抜け
てこの場を離れようとした。そのとき僕の左腕を従姉が強
く掴んだ。従姉の手の震えが心の中を激しく揺さぶる。

 「楽しみやわぁどこ行くんやろ」瞳がうるんで唇を震わ
せている。

 「行ってやるさ。どこにでも」彼女が立ち去った後自分
に言い聞せるように呟く。左腕に残った従姉の手のあと。
右手をそっとのせてみる。彼女の手の温もりが逃げてしま
わないようにそっと。

ジャンク・ショップ (超短編小説) (2003年07月07日 (月) 00時46分)

真空管のアンプ。ヘリコプターの座席。
ガラクタの山の中に埋もれてアメリカ人の店主が座っていた。
店と一緒に色褪せてもう何人かも定かではない風貌。ベースボールキャップと
フライトジャケット、口にはいつもKOOLを咥えていた。七宝焼きのカレッジリングを
はめた指がワンハンドでジッポーを点火する。
劣化でゴムが波打つターンテーブルの上で、ジャニス・ジョプリンが回っている。

昔は基地のヤンキー達が私物を売って、飲み屋のツケや日本人の女の子のデート代
を作っていた。今は日本人の不用品や盗品などが持ち込まれる。
壁に掛かった古物商の許可書だけがここが日本であることを示していた。

ここは役にたたないもの、時代遅れのもので溢れていた。店主はそんなものを好んで
買い取った。フライトジャケットの下のTシャツには、ラブだとかピースだとかそ
んな文字がおどっている。それらもまた捨てられた言葉なのだろう。

あるときは子供たちが、箱に入ったブランドもののハイヒールを持ち込んだ。母親の
ものだろうか。ヒールがだいぶすり減っている。店主は黙って500玉を渡した。
身分証明書の提示も求めない店主に、子供たちは家の物を持ち込みはじめた。屋根裏
の収納で眠っていた、テレキャスター。動かない16mm映写機。リミットは5千円。
どんなものもそれ以上は払わなかった。子供の中の一人が祖父の形見のローレックス
の18金腕時計を持ち出し親父に5千円で売った。

怒った親は警察に訴える。捜査に来た刑事に店主はなにも答えない。テーブルの上に
ひかれたジャパンタイムスの上のドーナツをコーヒーに浸してただ食べていた。
この手の商売は口が堅いのが一番の売り物だという事を店主は心得ている。結局ひっぱ
られたが48時間黙秘を続けた。拘留の延長は認められなかった。たいした親父だ刑事
達は感心した。もちろん店主が日本語を話せないのを知らないのだが・・・

すれ違う影(仮題) 投稿者:スネ夫(詞) (2003年07月10日 (木) 00時00分)

なつかしい君の瞳の中に
あの日の僕がいた
過ぎ去った時間に
後ずさりしてしまう僕は
今君と二人寄り添って

重なる影が夕暮れの部屋で
薄れて行くのを
ただ 眺めていた

何気なく首をかしげる仕草
あの日の君がいる
思い出の中に
溺れてしまいそうな僕は
静かに今微笑んでいる

重なる影が夕暮れの部屋で
薄れて行くのを
ただ 眺めていた

この次君に出会ったときに
あの日の僕はいるのだろうか

OH MY GOD !!(神化論及びレスを読んだ感想) 投稿者:スネ夫(その他) (2003年07月14日 (月) 22時32分)

神化論大変興味深く読みました。神の存在の是非よりも現存の宗教に対する強い不信感を
指摘されてるのではないかと思います。その意味で意見を同じにさせて下さい。
宗教の勧誘確かにウザですね。ただキリスト教にも沢山の聖書の研究会がありまして。
普通戸別訪問されているような会はかなり特殊なグループであることをご理解ください。
小冊子や説明の中にハルマゲドンなどという言葉を発見したらまず相手にしない方がいい
と思います。
宗教欄の話確かにそうなんです。ヨーロッパでも転入届には必ず記入欄がありますし
(少なくともドイツではそうでした)無宗教などと書くとかなり奇異の目で見られる
と思います。日本人の感覚で言えば、肯定も否定もしない立場ということなのですが、
彼らには、挑戦的な態度に取られがちです。無難な方法はお墓がお寺にあるのなら
ブッティストと書いとけばまず問題ないと思います。日本以外の国ではかなり宗教は
デリケートな問題なので、エチケットとして考えれば好いのかと僕は思っています。
神の存在に関しては人間社会の不条理に対する逃げ場のような場所をイメージしています。
十七夜さんのおっしゃるように神の前において平等ということは、逆の意味でそれ以外
の場合は不平等だということです。アフガニスタンでイラクで、飢えと戦争で死んで行く
人々が自分の信じる神様に召されることを願い目を瞑っていくのを、
合理主義の目で冷たく見つめることはあまりにも辛いです。
そう言う自分も宣教師が作った学校に長くいたわりに、特定の神様とは縁がありません。
だだイエスに同情はしますが。時々彼はいたんじゃないかなと思ったりします。本人は
何も弁解できないまま磔になって死んだのではないかと。そして今日まで利用され続けて
るんじゃないか、人々の欲望や悲しみ、孤独なんかを背負わされ続けてるじゃないかと。

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